“ We Art India ー アートプロジェクト 2025 ” 報告 VOL.2

インド “ mine ”アートワーク

“ We Art India プロジェクト2025 ”
◆ インド・シリグリでのアートプロジェクト —

– kao・no・e – から “ mine ” へ

このシリグリでのアートワークは基本的に、私がこれまで続けてきた – kao・no・e – という手法を用いました。 
– kao・no・e – は、顔を描くためのスキルや模写の技術を競うものではありません。
“似せること”ではなく、自分の存在を自由に感じ、自分の意志で表現することを目的としています。
そこで私はこのシリーズを、今回から言葉として刷新しました。

– kao・no・e – ではなく、“mine” と呼ぶことにしました。

「わたしはわたしのもの」
「わたしには、わたしを生きる権利がある」
という静かで、しかし確かな意思を問いかける言葉。

この現場で出会った子どもたちの表情や言葉と出会って、
それは誰のものでもない、
自分自身の生命の宣言だと感じたからです私が顔を描き、こどもたち自身が色を塗る。
ポートレートアートプロジェクト 「mine」。

シリグリで見た“ mine ” の時間

この場所で私が向き合ったのは、
みんなの学校 と 子どもシェルター JAGRITI という二つの現場。
どちらの拠点も、特定非営利活動法人 IMAGINUS(イマジナス) が
長年支援を続けている場所です。

みんなの学校と JAGRITI のこと

 みんなの学校 は、児童労働をなくし、子どもたちの学びの場を守るために存在している学校です。
働くことを余儀なくされる前に、子どもたち自身が学び、考え、感じる時間を持てるように。

そして 子どもシェルター JAGRITI は、ストリートで暮らす女子児童を保護し、
安心して暮らせる生活と未来を取り戻すための場所です。

どちらの現場も、日常の“生存の必然”と“未来の希望”がせめぎ合うような現実を抱えています。

路上で生まれ、戸籍を持たず、時には貧困の中で親に売られ、想像を絶する環境の中で生きているこどもたちがいる。
親子の関係を知らず、人と人との絆を知らないまま、生まれ、そして人生を終えていく人間がいる。

私は、だから、急がない。
ゆっくりと、その顔を見る。
視線を合わせ、そこにいるという事実を確かめるように、ひとつひとつの輪郭をなぞる。
はにかんだ笑顔を描く。
そのあとで、こどもたちが、自分の色を選び、自分の顔に、色を置いていく。


My face.
My color.
I am mine.

それは、誰のものでもない、その子自身の存在を取り戻す時間。
生まれてきたことを、たとえ一瞬でもいい。
「生まれてきてよかった」と、身体のどこかで感じられる時間として、この肖像を手渡したい。

この場所で描かれた顔は、ただの“似顔”ではありません。
それは確かな存在の証であり、これから日々を生きる力そのものだと感じています。
私はいつもアートの現場で言葉を使います。
「描くことは、世界を見ることでもあり、世界を世界として受け止める身体の感度を育てる行為です。」
そして今回、シリグリで子どもたちと交わした時間は、言葉にならないその感度が、ひとりひとりの中で確かに立ち上がっていく時間でした。

  • 活動期間:2025年11月(インド・西ベンガル州/シリグリ)
  • 主催・連携:NPO法人 IMAGINUS
  • アートワーク指導:沖 明日香(Asuka Oki)
  • 参加者:みんなの学校、こどもシェルターJAGRITI 
  • 支援・協力:現地スタッフならびに学校関係者

本記事では、アーティスト沖明日香がインド・シリグリで行った、子ども向けアートプロジェクト「mine」について紹介します。本プロジェクトは、福祉・国際協力の現場で、自己表現と尊厳を取り戻すことを目的としたアート活動です。

この記事書いた人 かっちゃん先生

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